AIが自動作曲してくれる新たなシステム、Amper music(アンパーミュージック)について
目次
- 1 Amper music(アンパーミュージック)の基本情報
- 2 Amper music(アンパーミュージック)とは?
- 3 アメリカのシンガーソングライターによる楽曲
- 4 Amper (アンパー)の会社について
- 5 Amper music(アンパーミュージック)の特徴
- 6 AI×作曲
- 7 第3次AIブーム
- 8 人工知能(AI)の自動作曲によるさまざまなアプローチ
- 9 Amper music(アンパーミュージック)の登録の仕方と使い方
- 10 Amper music(アンパーミュージック)の類似プロジェクト
- 11 Amper music(アンパーミュージック)の運営メンバー
- 12 Amper music(アンパーミュージック)のまとめ
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Amper music(アンパーミュージック)の基本情報
開発企業:Amper
Amper music(アンパーミュージック)の公式サイト、SNS一覧
Amper music(アンパーミュージック)とは?
Amper musicは、世界初の人工知能(AI)による楽曲制作サービスです。
ハリウッドの映画音楽作曲家Drew Silversteinなどによって設立された、AIが自動で作曲してくれるサービス 「Amper Music」。世界初のAI作曲家として話題を集めたAmpermusicが、追加資金400万ドル(約4.2億円)を調達しました。 そのことが、海外メディアDigital Music Newsが掲載されたり、 アメリカのメディアから大きな注目を集めました。
実際の記事
Ampermusicは音楽の知識が全くない人でも、楽曲スタイル、楽曲の雰囲気、楽曲の長さの3つを選択するだけで一つの曲が完成します。
アメリカのシンガーソングライターでYou TuberのTaryn Southernが2017年に『Break Free』を発表しました。この楽曲は、彼女の歌声を除く楽曲のほぼすべての部分を人工 知能(AI)による楽曲制作アプリ「Amper music」を使って制作しています。
Amper (アンパー)の会社について
Amper Musicは、経歴や専門知識に関係なく、誰でも音楽を通じて創造的表現を行えるようにようにすることを使命として、2014年に設立されました。
Amperは、チームが オリジナルの音楽を作成およびカスタマイズすることを支援するために、クリエイティブAI (Creative AI) を基本としたツールを構築しています。 100万件を超える個々の サンプルと数千の楽器を含む独自のサンプルライブラリーを駆使し、音楽理論とAIの革新の融合による、高品質の音楽の提供に重点を置いています。
Amper music(アンパーミュージック)の特徴
楽曲は著作権フリー
音楽の制作経験がない人が動画・ゲームなどのBGMや効果音がほしいと考えた時に、Amper musicで製作した音源は著作権使用料無料(ロイヤリティフリー)なのでとても便利です。
Youtubeには音楽に対する著作権がとても厳しいので、Youtuberに取っては使い勝手が良いソフトです。
人工知能(AI)の制作した楽曲に著作権は認められないのが現状です。日本の法律では思想や感情を表現するために創作したものに著作権が発生します。そのため、思想や感情から創作を行わない人工知能(AI)が自動生成した楽曲には著作権は発生しないことになります。
すぐに完成する
Amper musicは制作時間に5分もかかりません!自分の気分や、ジャンル、そして時間を指定するだけですぐに人工知能(AI)が曲を楽曲してくれます。
ミニット・メディア (Minute Media) のビデオプロデューサー、アンナ・グリーン (Anna Green) は次のように述べています。
「アンパー・スコアを使用すると、制作するビデオで 必要な音楽を簡単に見つけることができます。5分もかからずにショートビデオ用の音楽を作成でき、必要なムードに完全に適合した曲を入手できます。過去の仕事では、適 切な曲を検索してビデオ用に編集するのに2時間もかかっていました。アンパー・スコアで作成した曲にはバリエーションがあり、イントロを見つけて段階的なビルドを追加す ることができる機能も気に入っています。これ以上優れたプロセスは想像できません。」
ジャンルが豊富
ジャンルのカテゴリを選択して曲の長さを指定すれば簡単に曲ができます。
コード(和音)やスケールなど、音楽の知識がなくても誰でも作成できるのが魅力的です。
AI×作曲
どのように人工知能(AI)が音を選択して、楽曲を作成しているのか?
抽象的で感覚的な表現に見える音楽とロジカルに思考する人工知能(AI)は、実は相性が良いです。その理由は大きく2つあります。
スケールと和音
一般的な音楽はスケール(調)が決まれば、その構成音に合わせてコード(和音)も決まります。
また、曲の中でのコード進行はセオリーがあり、良いとされる進行も数多くあるのです。 また、コード(和音)の響きの組み合わせとなるコード進行によって、悲しい・楽しい・明るい・暗いなどの雰囲気を持たせることもできます。
そのようなさまざまなパターンをビッグデータとして人工知能(AI)が学び、状況に応じて音を選択して曲を自動生成するのは難しくないことはイメージしやすいでしょう。
アルゴリズム
メロディも同様で、コード(和音)の構成音を選択してメインに使えば大きく外れることはありません。
人工知能(AI)が学んだデータと、求められているのがどのような曲かという紐付けができれば基本となるスケールやコード(和音)と同様にイメージに近いメロディの作成は可能です。
例えば、音のスペクトラムから誰の曲かを特定するShazamというアプリがあります。
Sazamaはカフェやラジオなどで耳にした曲を、ビッグデータを活用して特定してくれます。
人工知能(AI)がこのアプリの逆を行うことをイメージすれば、メロディの作成も難しくないです。
第3次AIブーム
人工知能は「artificial intelligence」の英語の頭文字を取りAIと呼ばれています。
AIとは人間の脳が行っている知的な作業を、人工的に作られた知能を持つコンピュータが模倣 し実行することを意味します。最初のAIという言葉の誕生は1956年にダートマス会議で人工知能の第一責任者であるJohn McCarthy(ジョン・マッカーシー)により命名されま した。
それから約60年後の2016年にはアメリカグーグル傘下のディープマインド社が開発した囲碁プログラム「アルファ碁」が世界トップレベルのプロ棋士を打ち負かし、一気に脚光を浴びました。
今では頻繁にテレビやニュース、新聞で取り上げられているAIですが、このAIのブームは最近始まったものではありません。過去、数回にわたりAIの盛り上がりと終結の波を 繰り返し、現在は第三次AIブームと呼ばれています。
人工知能(AI)の自動作曲によるさまざまなアプローチ
脳波で心地良い音を判断
ヘッドホン型の脳波センサーを装着して、その人の脳波反応に合わせて人工知能(AI)が自動作曲を行うプログラムを大阪COI研究推進機構が2017年に発表しました。実際の研究記事
このプログラムは既存の曲を聴いた人の脳波を測定して、その人の感情モデルと作曲ルールを作成し、その環状モデルと作曲ルールに基づいて、それぞれの脳波に合わせた構成の楽曲を生成します。
悲しい気持ちやうれしい気持ちなど、自分の気分を理解してくれるロボットが音楽を選択してくれます。 この研究では音楽の刺激を活用することで、精神面の活性化や潜在能力が発揮できるといった効果が期待されています。
体のさまざまな部分に取り付けられたセンサーにより、ダンサーの動きを読み取って人工知能(AI)が自動作曲を行います。
それをロボットがピアノで演奏し、弦楽アンサンブルが共に音楽を奏でるという試みも行われました。これは、ヤマハと東京芸大のコラボレーションによって実現した企画です。
動画から音楽を自動生成 その他にも、情報処理学会電子図書館の資料によると動画に対して人工知能(AI)が音楽を作成するという研究も行われている。動画ファイルから色情報を読み取り、それに合った音楽をつけるという仕組みです。
他の要素を元にしてそれを音楽に置き換えて生成するという試みは、とても興味深く活用の幅が広いと言えるでしょう。
Amper music(アンパーミュージック)の登録の仕方と使い方
Amper musicは無料でアカウント登録ができます。
まずは公式サイトの一番したか右にある「SIGN UP」をクリックして、ユーザーネーム・メールアドレス・名前などを 入力して、ユーザー情報の登録を行い、登録完了です。
使い方
1.アカウントを作成してログイン後、以下の画面が表示されるので「making music」をクリックします。
2.曲のジャンルと曲調(ムード)を選択します。曲調は以下の選択項目の中から選びます。曲のジャンルの中にも 様々な種類があります。
上から、cinematic(シネマティック)classical(クラシック風)documentary(ドキュメンタリー)electronic(エレクトロニック)folk(フォーク)hiphop(ヒップホップ)pop(ポップ)rock(ロック)があります。
3.曲の長さを設定します
4.作曲完了です。
Amper music(アンパーミュージック)の類似プロジェクト
Jukedeck
Jukedeckはジャンル・雰囲気・曲の長さを入力すれば、人工知能(AI)がイメージに合った楽曲を自動で生成してくれるツールです。コード進行やメロディなどの入力も不要。 Amper musicに似たサービスと言えるでしょう。Jukedeckは盛り上がるクライマックスの位置を設定できる点がユニークです。動画などの映像用の音楽を作る際にそのクライマックスの位置を映像に合わせれば、より印象的な映像に仕上がるでしょう。
Amadeus Code
Amadeus Codeでは、経済的にも社会的にも影響力が強い過去350年以上の「ヒット曲」の集合をデータセットとすることで、ユーザーが望むメロディーをAIがつくることを目指しています。
Amdeus codeは音楽制作のインスピレーションソースになるアプリです。画面をスワイプするだけで世界中のコンポーザーのデータを元にした、さまざまな楽曲を提案してくれます。
それをMIDIファイルとオーディオファイルとして書き出せるので、メロディのアレンジなどが行いやすい点が特徴です。
Amadeus codeは簡単にベースとなる音楽が作成できます。そして、さまざまな曲を気軽に選択できるので、スピーディーに情報が得られるインスピレーションソースとしてDTMのシーンでも活躍するでしょう。
Amadeus Code(アマデウスコード)は6月5日、シリーズAラウンドでの2億円の資金調達を発表した。WiL Fund II, L.P.を引受先とする第三者割当増資となる。さらにWiLの共同創業者である松本真尚氏が同社の取締役に就任しました。
Amper music(アンパーミュージック)の運営メンバー
2014年に設立されたAmper Musicを設立したDrew SilversteinはAmper MusicのCEO兼共同設立者です。
彼はショートフィルムや動画などの短い映像に対して、簡単に早く安くライセンスフリーで作 れるツールとしてAmper Musicを生み出しました。Amper musicを作成する前は、ロサンゼルスのソニックフューエルスタジオで映画、テレビ、ビデオゲームの作曲家、プロデューサー、ソングライ ターとして受賞歴があります。
ドリューはヴァンダービルト大学のブレア音楽学校を卒業し、そこで作曲とイタリア語を学び、コロンビアビジネススクールでMBAを取得しています。
そして、彼はTEDトークスにも出ています↓
Amper music(アンパーミュージック)のまとめ
Amper music(アンパーミュージックは、)著作権がフリーなので動画作成者たちにとってとても便利なツールです。それを活用して新しい表現や創作の効率化を図るのかという点が、もっとも重要なポイントとなってきます。
しかし、まだAIが音楽制作のプロセスを何から何まで済ませてくれるような世界は訪れていません。今のところAI作曲家も万能ではなく、人の手が必要です。
人工知能(AI)が作曲家に取って代わるわけではなく、音楽の制作における選択肢が増えるようなソフトや開発はこれからもどんどん出てきます。今後のAIソフトウェアの発展に注目していかなければなりません。