ビットコインも「脱炭素」へ──米スクエア、10億円規模の環境支援計画

ツイッター創設者のJack Dorsey氏が経営する米スクエアは8日、2030年までに二酸化炭素の排出を実質ゼロにする計画を発表した。

決済事業を手掛けながら暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)の売買サービスを提供する同社は、自社の運営で脱炭素を目指すだけでなく、「Bitcoin Clean Energy Investment Initiative」という新たな計画を立ち上げた。マイニングで再生エネルギーを利用するなどBTCのエコシステムで環境問題に取り組む企業を支援するため、このイニシアティブに1000万ドル(約10億円)を費やすとしている。

BTC支持派としても知られるDorsey氏が経営するスクエアは、ユーザーにBTC売買サービスを提供するだけでなく、自社の資産ポートフォリオの一部としてBTCを購入している。

スクエアは今回の計画にあたり、環境問題に取り組む企業をサポートするWatershedとパートナーシップを締結。自社で二酸化炭素の排出を減らすことに取り組みながら、2021年の第1四半期(1月〜3月)には脱炭素に注力する企業を投資先に加えたポートフォリオを組むとしている。

BTCについては今回発表したイニチアティブを通して、マイニングにおいて環境に配慮した技術に取り組む企業をサポートし、ただ二酸化炭素の排出を減らすだけでなく、使用する電力でもクリーンエネルギーへの移行を促進する。

Dorsey氏は今回の発表で、以下のように述べた。

仮想通貨は最終的に、環境に優しい電力によって運用され、二酸化炭素の排出量を減少させると我々は信じている。

これからグローバルに再生可能エネルギーの利用が進むはずだ。当社のイニシアティブでエネルギーの切り替えが加速することを望んでいる。

マイニングの電力消費

BTCのマイニングが大量の電力を消費していることは、環境問題の観点から今までも問題視されてきた。

先月には米リップル社のBrad Garlinghouse CEOが、米国のバイデン政権誕生を受けて、BTCの電力消費に対して懸念を示している。

バイデン政権は気候変動抑制に関する国際的な取り決めである「パリ協定」への復帰を示唆しており、上場企業に気候変動関連の活動状況および温室効果ガスの排出データを公開するよう要求する可能性がある」と指摘。

それによってBTCのマイニングが問題視される可能性があると主張している。

ケンブリッジ大学のオルタナティブ金融センターのデータによれば、ビットコインの年間電力消費は55.33Twhと推計されており、消費量はいち国家が消費する電力量を超えているケース揉み受けられている。